なぜそうなるか
オンライン英会話を途中でやめたら、いくら払う?——消費者庁は、インターネットで受ける授業も対象に含まれると書き、始まったあとの解約で請求できる額に「5万円又は契約残額の20%」の上限を示していました
オンライン英会話を、半年分まとめて申し込んだ。けれど、仕事が忙しくなって、ほとんど受けられそうにない。そんなとき、途中でやめると、いくら払うことになるのか。
特定商取引法には、長い期間にわたって続くサービスを途中でやめたときの決まりがあります。消費者庁は、この取引を「特定継続的役務提供」と呼んで、対象になるサービスと、請求できる額の上限を案内しています。
この記事では、特定商取引法第49条の条文と、消費者庁の特定商取引法ガイドの頁を、2026年9月26日の時点で読みました。
どのスクールやサービスを選ぶべきか、料金がいくらかは扱いません。読んだ条文や頁が、あなたの契約に当てはまるかどうかも、ここでは判断していません。
申し込んだ時期や、契約の期間と金額によって、扱いが変わる場合があります。手元の契約書面と、事業者の案内をあわせて読んでください。
先に、どんな契約が対象になるのかを確かめ、そのあとで、やめたときの上限を順に見ていきます。
・語学の教授は、期間が2月を超え、金額が5万円を超える契約が対象
・インターネットで行われる場合も広く含まれると、消費者庁は書いている
・始まる前にやめたときの上限は1万5000円
・始まったあとは、受けた分の対価に、5万円又は契約残額の20%の低いほうを足した額が上限
オンラインの授業も、対象になるの?
教室に通うのではなく、画面越しに受けるレッスンでも同じ?
消費者庁の頁には、対象になる7つのサービスの表があります。その1つが、いわゆる語学教室です。
語学の教授(入学試験に備えるため又は大学以外の学校における教育の補習のための学力の教授に該当するものを除く)
表の下には、注記が3つ付いていて、3つ目が授業の受け方についての一文でした。
この注記は、表の7つのサービス全体に付いた書き方です。あなたの受けているサービスが語学の教授に当たるかどうかまでは、この記事では判断していません。役務の内容がファックスや電話、インターネット、郵便等を用いて行われる場合も広く含まれます。
期間と金額の線は?
表は、語学教室について、期間を「2月を超えるもの」、金額を「5万円を超えるもの」としています。金額について、頁はこう注記しています。
入学金、受講料、教材費、関連商品の販売など、契約金の総額が5万円を超えていると対象になります。
月ごとに払う契約を、どう数えるかは、読んだ頁には書かれていませんでした。
途中でやめること自体は、できるの?
やめたいと言ったら、断られることはある?
特定商取引法第49条第1項の、骨組みにあたる部分を抜き出します。
第四十二条第二項の書面を受領した日から起算して八日を経過した後
条文はこのあと、事業者がうそを告げたり威迫したりした場合の書き方を括弧書きで挟み、最後をこう結んでいます。
将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる。
「将来に向かつて」なので、すでに受けた授業の分までなかったことになるわけではありません。消費者庁の頁は、この解除を「中途解約」と呼んでいます。
いくらまで請求されるの?
違約金が高く書いてあったら、その額を払うの?
条文の書き出しは、こうです。
損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
各号の額は、役務ごとに政令で決まります。消費者庁の頁は、語学教室の額をこう並べています。
| やめた時期 | 消費者庁の頁の書き方(語学教室) |
|---|---|
| 授業が始まる前 | 1万5000円 |
| 授業が始まったあと | 提供された役務の対価に相当する額 + 5万円又は契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額 |
契約残額については、頁に次の説明がありました。
「契約残額」とは、契約に関する役務の対価の総額から、既に提供された役務の対価に相当する額を差し引いた額のことです。
数字を当てはめると
ここからは当方の計算です。授業の対価の総額が30万円で、そのうち10万円分を受けたところでやめたとします。契約残額は20万円で、その20%は4万円です。5万円より低いので、上限の2つ目は4万円になります。受けた分の10万円と合わせて、14万円が上限になる計算です。入学金や教材費がある場合、あるいは遅延損害金が加わる場合の数え方は、この計算に入れていません。
教材も一緒に買っていたら?
消費者庁の頁は、本体の契約とあわせて買う「関連商品」についても、中途解約ができると書いています。語学教室の関連商品として挙がっているのは、次の3つです。
書籍(教材を含む)
ほかに、カセット・テープやCD、DVDなどと、ファクシミリ機器、テレビ電話が並んでいます。あなたが買った物がこれに当たるかどうかは、この記事では判断していません。
よくある質問
事業者が「途中解約はできない」と書いていたら
読んだ条文は、中途解約を消費者の側からできるものとして書いていました。契約書面の特約がこの条文とどう関係するかは、この記事で読んだ範囲には書かれていませんでした。
仕事のために受けている英会話も対象ですか
消費者庁の頁は、適用が除かれる場合として「営業のため、又は営業として締結するもの」を挙げています。どこまでが営業のための契約に当たるかは、判断していません。
月謝制で、毎月払っている場合は
期間と金額の数え方は、読んだ頁には書かれていませんでした。契約書面で、契約の期間と総額を確かめてください。
この整理が変わる条件
- 特定商取引法や、同法の施行令が改正された場合(本記事は2026年9月26日に読んだもの)
- 消費者庁が、対象の役務や、請求できる額の上限を改めた場合
・語学の教授は、2月超・5万円超の契約が対象
・インターネット等で行われる場合も広く含まれると、消費者庁は書いている
・始まる前の上限は1万5000円
・始まったあとは、受けた分の対価+5万円又は契約残額の20%の低いほう
・営業のための契約などは、適用が除かれる
出典
- 特定商取引に関する法律 第49条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/351AC0000000057
- 消費者庁 特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」 https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/
自分の契約に当たる決まりは、契約の書面と事業者の案内で確かめてください。
当方が上の出典を引いて確かめた日: